15歳の少年が サラッと語る国家の要諦。僕には日本を護る義務と責任がある。
こんばんは かけだしロビイストのチャンです。
本日は、英国に住む ある女性が記された 3年前の記事を、
ご本人の許可を得て ご紹介致します。
ご本人の許可を得て ご紹介致します。
平和安全法制の賛否について 過熱する我が国の言論空間において、賛成派 反対派ともに お目通しいただきたい、当時15歳の息子さんと お母さん(ご本人)との遣り取りです。
(彼は、日本とイギリスの国籍を所有しているそうです。)
『60年前に韓国が竹島に乗り込んできた時に、もしくは日本の漁船が拿捕され死傷者が出た時、何故断固たる抗議と措置を講じて来なかったのか?』と疑問として投げ掛けて来た。そして、尖閣諸島をめぐる日中間の緊張。『もし日本と中国が戦争になるような事になったら、僕は自衛隊に入る。僕は日本国籍を持っているから、自衛隊に入れるよね? きっと皆自衛隊に入りたいって今頃志願が殺到しているね。日本語が流暢じゃないと難しいかなぁ・・・。』と、心配しながら語る。あなたは英国人じゃないの?どうして自衛隊に入って戦いたいの?本当の紛争って戦争ごっこじゃないよ、と意地悪く言ってみると、『だって外敵から自分の国を護るのは、国民の義務と責任でしょ。僕は日本のパスポートも持っているから、日本に何か有ったら、僕には日本を護る義務と責任があるでしょう。』と真面目に答えて来た。昨日、草彅剛主演の『日本沈没』を観ていた時のこと。日本列島があと1年持たず崩落していく、という会議のシーンで、息子が言う。『内閣はまず最初に皇室を安全な所に避難させないと!』息子の発言に、どうして皇室を最初に逃すのか、と、こうした考えをいつ身につけたのか、質問してみた。すると、息子の答えは、The monarch is the symbol of the culture & history of the people in the country. To protect the monarch is to protect the country.『君主はその国の人々の文化と歴史の象徴なんだ、君主を守ることは国を護ることと同じなんだよ。』これが英国の教育現場やカデットで子供に教えているのかどうかは私には分からない。息子に訊いても、具体的にそうだ、と教えられたことはないようだけれど、上記のようにサラッと言う。私は、自分が日本で育っていく過程には、『お国のため』と言う言葉に代表されて、『国のためを考える・生きる』と言う感覚に違和感を覚えるのが当然、のような空気があったと思う。そして私も、所謂『軍国主義・日本』だけが、『お国のため』とその国民に言って来たのかと思っていた。日本で『国のため』と言う言葉が嫌われている背景には、おそらく、太平洋戦争中、『国のため』と言う言葉が強制的に命を捨てざるを得ない事を連想させて来たからなのだろう。。。だけれど、、、そうした嫌悪は、国のために生きる、と言う連想も、これまでの間、否定させて来ているんじゃないか、と、思う。今、他国・しかも紛争地帯に率先して軍を派遣する国に暮らしていると、この国からアフガニスタンに向かう若い兵士、残念ながら彼の地で命を落とした兵士の家族がTVに出て来ると誰もが言うFor my countryと言う言葉、を頻繁に聴く。国のため、というと、やはりすぐ戦争や軍隊とか、思い浮かぶ習性が、戦後の日本に有るのかもしれないけれど、国のため、というのは勿論それだけじゃない・・・。現在、この国の消費税=付加価値税は20%、日本の5%の4倍だ。この時、一般人の口から聞かれた。『国のため』だ、仕方ないじゃないか・・・と。だから、付加価値税値上げの際は、国中冷静に受け止めていた。民主主義誕生の地だが、デモも無かった。現政権が選挙前の約束を反古にして大学の学費値上げを決めた時は、大きなデモになったけれど、全国民に影響のある付加価値税の時は、至極冷静に受け止められた。そして、今回のオリンピックも、開会までは何ともノリが悪かったし、大会前にはオリンピックに乗じてオリンピックボーナスをよこせとストを繰り返したバスや地下鉄に世論が怒ったり、ゴタゴタが続いていたけれど、いざ始まれば、このオリンピックのホストとして出来る事はしなければ、と言う気運に溢れ出して、いつもだったら遅れまくる交通機関がスムースに動くし、それらもインタビュー等では『国のため』と言う言葉をよく聴いた。
彼は 学校のクラブ活動にて、英防衛省全面協力のもと、体力育成、リーダーシップ育成などを目的をした組織に入ってるそうで、日本に住む同世代のお子さんよりも軍隊に慣れ親しんでいるようですね。
お母様曰く、「普段、PCゲームやらアニメやらに夢中でヘラヘラ生きてる極々普通のティーンエイジャーなんですが。。。」とのこと。
彼が特別では無いということを教えてくれたのだと思います(^_^)
また、お母様はこのようにも仰いました。
「英国が、戦勝国であり、歴史的に現代に至る世界中の紛争の源でもあり、今に至っても紛争地帯に率先して派兵したり、テロの脅威に晒されている現状の国に育ったと言う環境の違いは大きいと思います」
それにしても、「国民の義務と責任」について、「国家とは何か」について、明確な答えを持ち、サラッと自分の言葉で語れてしまう この少年は 素晴らしいですね。
私が彼のように「国家観」や「国民の勤め」についてきちんと理解し、国のために自分に何ができるかを考えることができるようになるまで、彼の年齢の倍の時間を費やしてしまいましたσ(^_^;)
平和安全法制を含め、日本が抱え、賛否が別れる多くの問題は、その議論において、ご紹介した少年が持っているような 大前提(国家観)を、そもそも共有できていないことから始まる齟齬がたくさんありますね。
やはり教育が大切。
最後に、この記事をご紹介してくださったFBFの さかもとさんと、記事の転載を快く了承いただいたこの少年のお母様に篤く御礼申し上げます。
※追記
英国は、日本のように『平均像』と言うものが出にくい国だそうです。
なぜならば、未だ階級社会であった名残りもあり、それぞれ教育水準、所得水準で、意識の違いや価値観が分類されるからです。
ですので、彼のような考え方が英国において大多数かのように理解されてしまうと、それには違和感がありますと、お母様より ご指摘をいただきましたので、ここに追記させていただきます。(2015年 8月14日)
英国は、日本のように『平均像』と言うものが出にくい国だそうです。
なぜならば、未だ階級社会であった名残りもあり、それぞれ教育水準、所得水準で、意識の違いや価値観が分類されるからです。
ですので、彼のような考え方が英国において大多数かのように理解されてしまうと、それには違和感がありますと、お母様より ご指摘をいただきましたので、ここに追記させていただきます。(2015年 8月14日)