遺言
石根へ
秋桜の咲く頃、
お母さんのお腹に 石根が居ると分かったん。
お母さんは 嬉しくて ぽろぽろ泣いたんよ。
お母さんは 嬉しくて ぽろぽろ泣いたんよ。
父さんも それを見て ちょっぴり泣いたん。
本当に嬉しくてね、
お母さんと 父さんは
抱き合って喜んだよ。
石根へ
石根が お母さんのお腹の中で
元気いっぱいに パンチやキックを繰り出すとね、
お母さんは、痛がりながらも嬉しそうに、
お腹を見せてくれたん。
お腹の外からでも 手や足の形が分かって、びっくりしたよ。
それを見て 父さんは やっと心の底から
自分がお父さんになるんだなぁと思ったん。
のんびりしとるよね。
のんびりしとるよね。
石根へ
朝日が昇る頃、
石根が お母さんのお腹から出てくるとき、
父さんは お母さんの手をずっと握ってた。
ずっと握ってたん。
ずっと握ってたん。
何もできんかったけどね、
石根が生まれる瞬間に立ち会えたことは 父さんの大切な思い出。
石根が生まれる瞬間に立ち会えたことは 父さんの大切な思い出。
あの日の朝のことは 一生忘れへん。
石根が出てきたあと、
父さんの手には アザが出来てたよ。
お母さんは それだけ強く
父さんの手を握りしめたんやね。
お母さんは 命をかけて おまえを産んだんよ。
お母さんは 命をかけて おまえを産んだんよ。
石根へ
石根が生まれてすぐに、
石根が生まれてすぐに、
さっきまで 鬼の形相で いきんでたお母さんは、
とても優しい顔になったん。
とても優しい顔になったん。
石根が元気に生まれてくれて嬉しかったんやね。
石根へ
父さんの代わりに
お母さんを助けてあげてください。
お母さんを助けてあげてください。
お母さんを護ってください。
石根へ
父さんは若いころ、とにかくこの町をでたかったん。
田舎くさくて ダサくて ぱっとしない この町を棄てて
洒落た街で 洒落た仕事をして 洒落た都会っ子になりたかったん。
その時点で 全く洒落てなくて
ただ刹那的で享楽的な快楽と刺激だけを求める クソッタレやったん。
その時点で 全く洒落てなくて
ただ刹那的で享楽的な快楽と刺激だけを求める クソッタレやったん。
「遺言」ってタイトルの
すごく個人的なブログを 今 書いてるんやけど、
赤裸々なつもりなんやけど、
それでも “ここには書けないような”駄目なこともしたん。
今の父さんが 若いころの自分を見たら許さんやろうなぁ。
すさんでたから。
今は、この町に育ったことを誇りに思うし、
両親、家族、たくさんの仲間に感謝してる。
ほんまに幸せなん。
ほんまに幸せなん。
父さんの人生が
遠回りだったのかどうかは よくわからん。
でも 石根に伝えられることが一つある。
「ふるさと」を大切にね。
お母さんと出会ってからかな。
少しずつ そう思えるようになったのは。
それから お母さんと夫婦になって
ずいぶん経って石根が生まれたん。
ずいぶん経って石根が生まれたん。
本日二度目の “ここには書かない” やけど、
お母さんは ほんまに しんどい想いもして たくさん頑張ったからね。
父さんもそれを知ってるから、
めっちゃ嬉しかったよ。
大地にどっしり根を張るような大きくて強い岩盤、それが “石が根”。
“石根”の名前の由来よ。
最近ね、
毎朝 家を出るときに思うことがあるん。
もしかしたら、
お母さんと石根と顔を会わせるのは
これが最期かもしれないって。
お母さんと石根と顔を会わせるのは
これが最期かもしれないって。
父さんが事故で死ぬかもしれないし、
お母さんと石根がそうなるかもしれない。
自然災害や犯罪にテロ、人は簡単に死んでしまうから。
そう思うと 怖くなる。
そう思うと 怖くなる。
死にたくないなぁ。
でも、 死ぬかもしれへん。
石根へ
大きく強くなって
お母さんを助けてあげてください。
お母さんを護ってください。
そして 誰かを幸せにする為に生きなさい。
二歳の誕生日おめでとう。
今日は二人で お母さんにお礼を言おな(*^_^*)
美樹へ
貴女は 僕にとって
此の広い世界に 唯一人の真実の女性です。
生まれてくれて ありがとう。
此の広い世界に 唯一人の真実の女性です。
生まれてくれて ありがとう。
幸せにしてくれて ありがとう。
僕を父親にしてくれて ありがとう。
僕を父親にしてくれて ありがとう。
まだ 死ぬつもりは無いけど、
もし死んだら 石根にこれを読ませてやって。
嗚呼、今日のブログは書きながら
泣けてきた。
いつ死ぬかわからんから
倅の２歳の誕生日に “遺言”をテーマにブログを書いてみました。
大切な家族が増えたことで、
僕は 以前より強く 死を意識するようになりました。
幼子を置いて 戦地に赴き
その尊い命を捧げられた御英霊の強さと
志の大さにも 改めて気付きました。
その尊い命を捧げられた御英霊の強さと
志の大さにも 改めて気付きました。
公に尽くす為に、
たとえ 此の肉体が滅びようとも
魂が滅びなければ
その志は受け継がれる。
そのように
誇り高く 気高い生き方に憧れながら、
個人として僕は
死をおそれ ビクビクしているのです。
そうすることで 生きた心地と、
今 享受している幸せを 強く感じることができています(^_^)
“全日本 青空高く日の丸掲げ！推進委員会委員長”
